一寸いい話

                                       27・28

 

 

 

1    かなかなや川原に一人釣りのこる    滝井 孝作
      栗一粒秋三界を蔵しけり         寺田 寅彦
      

      尻据えて野に遺賢ある南瓜かな     佐藤  春夫
      沙魚の眼にうつりて遠き秋の空     會津 八一

  

 1    ダイダラ坊,大多羅法師,だいだらぼっち。
     
      

      東西南北を一跨ぎで歩む頭が雲の中に入って見えなく
      なる巨人。その足跡が大きな穴になって井戸になった

                という。
      
              「台風や大地震,日食といった現象は,自然界の精霊が
       擬人化したのが巨人伝説でしょう。集落の貴重な水源
       を大切に使うため,巨人伝説に絡めて井戸を神秘化し
       たのかもしれません」
                  武蔵村山市歴史民族資料館 高橋健樹学芸員。
                  (朝日  2012・10・12)

 

1    奥村土牛
      「一回の成功には九回の失敗がある」
      
      「芸術に完成はあり得ない。要はどこまで大きく未完成
         で終わるかである」
          ・・・・・・・・・・・・
     学問もしかり。私のもすべて偉大なる未完成である?? 
       土牛という名は「土牛石田を耕す」から来たのだろうか?

 

1   ある呑兵衛の卓説
     「酒に逃げるんじゃない,酒が逃げるから追っかけてんだ」

 

1       拝啓 「前略  奥さん」
  

        夕食中,飼い猫の話をしてると家内が突然話し出した。「パ

            ンパン叩いて,コロコロかけて毛をとって・・・・」。私は

            てっきり猫を布団叩きで
    叩いてそのあとコロコロかけてと思って,「猫をか?」とび

            っくりして問い返すと,家内は一瞬,なに?といった顔をし

            て「猫が寝てるタオルケットよ」。
     

     どうも女性は主語抜きでも,当然話題は共通していると思い

             がちだ。
       男性は思考するときは左脳だけ働くが,女性は左脳も発達し,

             しかも右脳とつながっているとのこと。そのせいか女同士は

             主語抜きでも通用するらしい。おかげで私は頭が鍛えられ,

             ボケないかもしれない??。感謝しないと。
       
  

            脳に関するより正確な情報
     右脳は趣味,芸術,スポーツなどの活動を統括し,
     左脳は勉強,仕事,理論などを統括するとのこと。


 1       「鶴の一声,雀の千声」
   

        雀が千羽 鳴くよりも,鶴の高らかな一鳴きが決め手に
    なるということ。影響力がある人の言葉。

 

1     初めて立候補した小泉進次郎の街頭演説の思い出。
    
     「聞いてくれたのは畑の大根だけだった」

 

1           「丸谷才一さんを悼む」 

                                          池澤夏樹
               (朝日 2012・10・16)

 

     「夏目漱石から吉行淳之介まで日本の近代小説には高等

                遊民と放蕩者と芸術家しかでてこなかった。
      丸谷さんはそこに職業を持つ普通の人を呼び込んだ。
      身勝手な自分語りではなく,一歩離れて人と人との仲
      を書いた。それが作家丸谷才一のいちばんの日本文学

                への貢献ではなかったか」
        ・・・・・・・・
      また読むことにして彼の本を何冊か枕元に置いている。
      特に彼の軽妙な随筆が好きだ。 
            (12・10・19)

 

1   ソ連の弾圧をくぐった作家・ソルジェニーツイン
    『収容所群島』でのロシアの古い格言。
   

     「過去にこだわる者は片目を失う。過去を忘れる者は
     両目を失う」

 

1   「政治はまつりごとであっても,はかりごとであってはならない」
         「声」(朝日) 2012・10・10
  

      「飛び出すな政治は急に変われない」
         「cm 天気図」 朝日 同上 天野祐吉

   

       「政治家も小粒になりぬ秋の風」

 

1                  中秋の名月となる 

   

         名月をとってくれろと泣く子かな     一茶
     名月や座頭の妻の泣く夜かな        詠み人知らず
     名月や座に美しき顔もなし        芭蕉 
     山里や汁の中まで名月ぞ           一茶 

 

1                  閻魔様と交渉

 

         命果て地獄極楽決まるまで しばし無憂華の里に遊べる。
     そしてあの世の入り口で,天国に行くために閻魔と交渉。
     

          閻魔殿まず一献のお近づき
          一斗なら考え直すと閻魔言い
                              暮笛(2012・10・27)

 

1                     公家の白塗り
   (昔の公家はなぜ女のように白塗りでお歯黒にしていたか疑
    問だったが)
   

        お歯黒・・・・時の天皇の歯が黒かったので公家たちも。
    まゆ・・・・・眉を剃って額に書いたのは,表情を読まれない
          ため。
    白塗り・・・  顔を白塗りにしたのは,宮殿が大きく室内が
          暗かったので,白塗りにしてお互いの顔を見
            やすいようにした。
     

 1         「故人」の意味の誤解
     

      国字では,亡くなった人のことだが,中国では全く意味が
    違う。むかし,王維が友人の「元二の安西(西域)に使い
    するを送る」という詩にこの字が出てきていた。

   

         君に勧む更に尽くせ一杯の酒
     西のかた陽関を出づれば故人なからん

 

    高校生の頃か,故人を送るとは変だと思っていたが,解説

            を読んで,故人とは「以前からのなじみの人」と判って納

            得したことがある。
     

     同じ字でも,日本語の国字と中国語ではまったく意
     味が違うことがある。
     中国との争いもこんな誤解によるのであってほしい
    と思うのだが。
     

 1   韓国には「困った時の日本叩き」という格言があるとのこと。
          名越健郎『ジョークで読む国際政治』新潮新書

 

    「内政で危機に直面すると,日本を攻撃し,目先を変えて危
     機を突破する独特の手法である。李承晩以来の歴代大統領

             にこの傾向が見られたが・・・・・・・」

 

     確かにこんな傾向が見られる。それは中国も同じことだ。
     願わくば他人の所為にしないで,内政に向き合ってもらい

             たいものだ。  (12・10・29)

 

1                              指揮者

 

          指揮者は後ろから見ると右手にタクトをもち,左手をちょこ
    ちょこと動かしている。時々テレビで指揮者の表情をみると
    時に百面相だ。オーケストラのメンバーを外してみたら,こ
    の人はなに?と思ってしまうだろう。しかしそれぞれに次の
    ような意味がある。

   

           右腕・・・指揮棒を振ってテンポを調整し,
       左手・・・強弱とニューアンス,
       表情・・・曲の意味を伝える。

  

       指揮者はまるでパントマイムをやってるようだ。
     むかしこんな落語があった。田舎の老父母を音楽会に連
     れていって,終わってから息子がどうだったと聞くと,
     両親は,「音はうるさかったが,あの指揮者のダンスは
     面白かったよ」。

 

 1              全国にお寺の数は7万7千余。

 

            これはコンビニの数より多い。一方,人口は減少し,

            また人は都市に移動する。
        お寺には財政的に立ちゆかず,廃寺となるところが多
      い。
     お坊さんの中には,東京まで出てくる出張葬儀,出張
     回向する人いるそうだ。
     日本人の死生観の変化もあるが,お寺と檀家の関係が
     希薄となっている。特にお寺自体の意義や役割が改め

             て考えるべき問題となっている。

 

 

1           中国庶民の戯れ歌 「幹部の四態」
     

           「午前は車であちこち。
            昼はお皿がぐるぐる。
            午後はサイコロごろごろ。
            夜はスカートひらひら」
     

            天声人語(12,11,10)『笑う中国人』

 

1              現代中国の諺
     数は力
     世(よ)異なればすなわち事(こと)異なる。

 

1   韓非子・・紀元前三世紀の韓非の書。全20巻。
     法術による富国強兵,君権確立の書。

 

    その中の言葉・・「五蠹」(ごと)・蠧とはきくいむし。
     国家を木にたとえて,それを食い物にする者のこと。
     すなわち,学者(儒者),雄弁家,侠客,側近,商工業者。
       (いつの世も何処の国にでも存在する者)

 

1                        神社での参拝の仕方

 

           テレビを見ていたら,神社での参詣の仕方を解説していた。
     神様の願い事をする時には,名前と住所を言うのだそうだ。
     今までは神様なんだからそんなことは言わなくとも判ると
     思っていたが,神様も願い事が多くて大変なんだと悟る。
     それほど親身に信者の身になってくれているのだから,
     願い事もきっと聞き届けてくれるのだろう。
     いままでの長い人生,あちこちの旅行で伊勢神宮や出雲大                   社もお参りしたが,一度も名前も住所もを言わなかった。
     道理で御利益がなかったはずだ。残念。
           (2012・11・18) 

 

1               森光子さん永眠

          

            92歳。長い下積みの時代を乗り越えた名優であった。その

           下積みの頃の川柳。
     「あいつよりうまいはずだがなぜうれぬ」
   

        誰しもが思うことだろう。そして晩年こんなことも,
     「役者は寂しくないとやっていけない。幸せ一杯だとだめな                  な」
     
     

 1      「映画館の席の肘掛け理論」
  

       映画館の狭い座席で肘掛けを互いに自分のものにしようとする。
     相手の意地や自己中が自分の自己中に火をつける。
                              (朝日  2012・11・15)
 

    自分の動機を正義でなく自己中だと自覚することが大切だ。
      対中国外交,脱原発の運動など,多くの人が何らかの正義感の
    煩悩に染まっている。

 

1              三浦雄一郎 

        

            80歳で来年エヴェレストに三度目の挑戦をする登山家。
     「エヴェレストの頂上は歩いて行ける宇宙です」
      伊集院静随筆「シグネーチュア」(2012・12月号)より。

                     ・・・・・・
    平地でも歩行困難なこの80の身にはうらやましい壮健さ。そし
    て改めてエヴェレストは宇宙なんだと思いを新たにする。ひと

            は宇宙に歩いて登ることができるのだ。

                           (2012・11・19)

 

1                       集中力

 

          一つのことに集中する人ほどかえって余裕ができ,他の趣味も深
     めることができる。だらだらしてる者には豊かな趣味はできない。

 

 

1                    講演に臨むとき

         

          講演や人前で話すときなど会場にまっすぐ行かないでゆっくり階段
      を歩いて上ったり付近を歩いたりすると,落ち着いた気持ちで話す
    ことができる。

 

 

1                     出棺の時の茶碗割り

 

       出棺の時よく茶碗を割る光景があるが,あれは単なる慣習である。
     棺に釘を打つのも茶碗を割るのっも同じで,故人の魂がこの世に
     戻らないためと言われる。もっとも茶碗は燃えないので,故人の
     私物は入れても,茶碗は入れないともいわれる。これは只の慣習
     で,あえて割る必要はないようだ。テレビのドラマではよくやっ

             ているが単なる効果的な演出であろう。 

 

 

 1        「ジェボンズの逆説」
  

       省エネが進むと逆に消費量が増えるとする説。
     たとえば,低カロリーの菓子があると気を許して食べ過ぎて体重
     が増えてしまうこと。さらに,車の安全性が向上するとかえって

             野放図な運転が増えるようになるというパラドックス。

 

1               ミャンマー(旧ビルマ)の諺
  

             「水牛のそばで竪琴をかなえる」
     親身な忠告にも聞く耳を持たないこと。頑迷固陋。
     名作「ビルマの竪琴」の題とは関係なし。

 

1                こどもの宿題
     
     「1.4.5.7の数字を使って500にもっとも近い数字を考えな

             さい」。
     父親は457が正解と考えたが,母親は514とした。
     父親は近いと言うことで500に近いのは500より下と考えてしま

             った。女性の方が柔軟な思考,などとつい考えてしまう。

 

1            女優で医者の友利新さんの話

                        「ごきげんよう」                             (2012.11.27)                                               
      

     失恋した娘に,とっさに思いつき格言名人の母の言葉
     「男とバスは追っかけてはだめ」
     最終のバスに乗り遅れてもバスは翌朝また来ると。
     また「男と靴は妥協してはだめ」。 
   

          さらに彼女のお姉さんも格言の名人で,振られてばかりで恋いに
    臆病になっている妹に「プライドチキン」と命名した。チキンと

            は臆病者ということでフライドチキンにかけてからかいながら励

            ましている。
     良い家族ですね,これなら元気になりそう。
         (2012・11・27)

 

1       ある中国の書家の言
     「天真爛漫こそわが書なり」

  

      わが書もまた天真爛漫にして悪筆なり,意を強くしてこの言に

            従わん。

 

 1   「枯れ木ほど燃えるものだと古老いい」
         (朝日川柳12・11・27) 

                               (名古屋市)細谷進吾

     しかり,最後の燃え尽きではなく,老者はなお赫々と燃え続け

             るのだ。(12・11・30) 
                
         「嘘を言うにはやや年をとりすぎた 
                          正直ばかり言うも疲れた」
            (坂戸市)山崎波浪 (朝日歌壇)

                                        (2013・2・4)


 1                短歌二首

 

           「たまご抱く雌鳥のような温かさ 

                                        『ゑ』の字持ちたる母の名『よしゑ』」
                  (大和郡山市)四方 護
  

     「夕暮れはもの悲しくて牛も山羊も ひと声鳴きぬ道行く人に」
                 (徳島市)上田 由美子
          (朝日歌壇 12・11・11)

                                        (12・11・30記)
          
      

 1        「シルバー川柳」より
 

       「老いの恋惚れる惚(ぼ)けるも同じ文字」
     「なあお前はいてるパンツ俺のだが」
     「妖精と呼ばれた妻が妖怪に」

 

1                   武器を持たない国家

 

         武器を持たぬ平和国家に必要なこと。 
     「鋭い牙がないなら長い耳を持て」

 

1         今日の朝日歌壇で読んだ心に響く短歌。
         (2012・12・3)
 

    「川べりの静かな静かな秋の道 小声で話すすずめの家族」
         (富山市)松田 わこ
  

        「亡き友よ秋がまた来た伊勢湾に お前の息子ときょう鯛を釣る」
         (名古屋市)加藤 武朗 

 

     前の歌は金子みすゞの詩のような優しさと,後の歌は亡くなった
     友人への思いとその子供への愛情を感ずる。

 

 

 1   「男はジャガイモでなければいけない」
        朝日新聞(12・12・3)
   

      『寅さんの伝言』で山田洋次監督の言葉と,村田雄治さんが紹介

            している。寅さんこと「渥美清」さんの人柄のことだろうか。

    

             「掘るほどに広き馬鈴薯畑かな」 石倉 京子
     「馬鈴薯の花に人柄偲びおり」  暮笛
    
      
 1  「泥鰌浮いて鯰も居るというて沈む」
        永田耕衣

  

     政界には泥鰌と名乗る人はいるが,鯰とは
   誰のことか。総選挙始まる。

 

   「近いうち」,「近いうち」といっていたがとうとう
    解散した。むかし,会う人ごとに「近いうちに飯で

      も食おう」と言うだけでちっとも実現しない代議士

          がいたそうだ。あだ名は「ちか飯」。

          このたび解散した人は,ともかく実行はしたようだ。
       

1                  風圧を感じる政治家

 

    「すれ違いざま風圧を感じるような政治家はいなくなった」
     中曽根元首相の言葉とのこと。
     政治家に限らずそんな人物はいなくなった。
       「人間も小粒になりぬ秋の風」     
     

 1              コロッケさんの母親の言葉

 

       「人生は『あおいくま』たい」  

      「あせるな
       おこるな
       いそぐな
       くさるな
       まけるな」
                 2012・12・3日のNHK 夜8時の放送

                               「ファミリーヒストリー」   

      

         これは人に言うのではなく,自分にいう言葉とのこと。
     まけるなとは「自分に負けるな」ということ。良い言葉だ。

 

1       元禄14年12月14日,赤穂義士の討ち入り。

 

   赤穂城明け渡しの時,赤穂藩の財産を処分した残りは金700両

      (約8400万円),これが1年9ヶ月後の討ち入りの軍資金となっ

         た。時,元禄14年,西暦で1703年であった。
  

        綱吉の時代で幕府体制が強化されたが財政難の時代であったが,

          町人が力をつけ芭蕉,西鶴,近松など町人文化が栄えた。

    義士の討ち入りの時は,芭蕉,西鶴はすでになく,近松が義士

          の討ち入りを「囲碁太平記」として芝居にするが,幕政批判と

          して禁止された。

 

    囲碁は白黒の烏鷺の戦い,太平記は南北朝の対立を意味するが,

          そんな意味合いなのだろうか。また1748年に上演された「仮

          名手本忠臣蔵」の仮名は47文字で四十七士にかけたものだろう。

    討ち入りの翌年宝永の時代となり同4年に宝永の大地震があった。

   

         そして討ち入りから238年後の1941年12月8日,真珠湾への討

         ち入りいや攻撃が行われそして太平洋戦争へ。
       

    賞賛と切腹,戦争批判と絞首刑。さてその後の時代はそれぞれ

         どう変化したか。
            (2012・12・10)

 

 

1                 うがい

 

     口をきれいにするための「うがい」の語源は「鵜飼」。鵜が
   飲み込んだ魚を吐き出す姿に由来するとのこと。 
       

 1           アメリカの銃問題

  

      つい最近も幼稚園児20名を含む27人が銃で殺された。
    なんとも痛々しい蛮行としかいいようがない。アメリカでの
    銃による殺人は年約三万人である。三年間のイランでのアメ

        リカ兵の戦死者は約三千人,年一千人であるから,銃での事

        故は年その三十倍となっている。
      銃を持つ権利は憲法修正第二条「武器を保持,携帯する
    人民の権利は侵害されない」として保障されている。
    そのせいでもあるがアメリカでは銃規制が真剣に論議され
    ることはない。
   
    アメリカのライフル協会(NRA)のかってのスローガンは,
   「銃は人を撃たない。人間が銃を撃つ」であった。しかし,
    銃を保持する権利は保証しても,使用について厳格に規制

        することはできないのであろうか?
                (2012・12・18)

 

1          水戸光圀の圀について。

 

    若いときは光國であったが晩年光圀と圀の字を使った。
    唐の即天武后は國の字の中が惑うという字に似ているの
    で,それを嫌って圀を使ったといわれる。八方を囲むの
    意か。それとも枠はあっても無偏在ということか? 

 

1         アフリカのマリのトグナ村 

                    (12月29日TV7ch)

 

     村のもめ事や規則作りは特別な小屋で村の長老たちが決める。

         しかしその小屋は屋根が低く,長老たちは座って会議を開く。

         小屋の屋根が低いのは,立ち上がって喧嘩ができないように

         したのだそうな。
                (国会もそうしたらどうなるだろう?

                     思うだけで楽しくなる光景)

 

    そういえば古代ギリシャでは寝転んで会議を開いていた。国会

        でもギリシャ式でやったら,さぞ穏やかな会議になるだろうと

        思うが。

  

    その村では赤ちゃんが夜泣きしても誰も気にとめない,むしろ

        元気な証拠だと。
  

    砂漠に近いその村には一つの井戸があり,村人の唯一の貴重な

        水源となっている。どうして水があることがわかるかというと,

        蟻塚の下には水があるのだと。
    蟻は水分のある土と唾液で蟻塚かをつくるので,その下に水が

        あるのがわかるのだと。
      村長さんは,この生活を守るためできる限り他との接触を断っ

        ている。さぞ楽しい村だろう。

 

1         「火中の栗を拾う」とは?
  

      なんとなく,あえて危険を冒しても得たいものを得る,などと

          考えがちだか,実際は,身を捨てて難儀を背負うということ。
    

    こんな話が。
    猫が猿におだてられて炉で焼けている栗を,四苦八苦して拾

         わされるという,お人好しを戒める話がある。
     これはラ・フォンテーヌの寓話で,他人のために危険を冒し

         てばかなめにあう,お人好しを戒める話とのこと。

 

1           「朝日」の「声」欄の投稿から。
    
     宮沢賢治が妹さんから,人はなんのために生まれてきたのかと

         問われて・・・
   「それを考えるために生まれたのだ」。

 

   東本願寺の堀端の行灯に書かれた仏教の箴言。
       「役に立たなくていいです。人は何かの役に立つた
        めに生まれてくるのじゃないのです」。

                        前山誠(高校教師・大阪市。12・12・7)
         (12・12・30記)

 

1         最近の日中関係を思わせる小話
     (早坂隆・「続・世界の日本人ジョーク集」
              中公新書ラクレより拝借)

  

      「ある時,日本人と中国人が殴り合いの喧嘩をし
     ていた。やがて警察がやってきて仲介に入った。
       中国人が口を開いた。
      『とにかく滅茶苦茶な話なんですよ』
       中国人は続けた。
      『そこの生意気な日本人が,私に殴り返してきたの
       が喧嘩の発端なんです』」
     
        

 1          国家間の関係・領土問題など 
  

     「対等たるべき間柄の一国が他の国に,法的根拠もない
     要求を強いれば,事の大小如何に関わらず,これは相
       手に隷属を強いることにひとしい」
            トウキュウデイデス・久保正彰訳
                            『歴史』上・岩波文庫
                                    (12・12・31)
     

      2013年1月9日 穏やかな日

     このところ歌も詠まず句もひねらずつくねんとしてる。
     大部の冲方丁「光圀伝」,読みあぐねている。
     このところ気の利いた言葉にも出会わない。少しく
    だれ気味。

 

 

 1   正月の朝日俳壇からおもしろい句を二つ。
     

     「初日の出天動説の過ぎるなり」
                 (堺市)小西彦江
     「大根を抜けば地球の凹みけり」
                 (西海市)前田一草

 

1         最近出会った面白い言葉
     

     「私は船長であるが,女房は提督である」
     「うちの女房の心臓には毛どころか,とげが生えている」
     「悪魔は勤勉だ,神はいつも昼寝してる」
     

     田中角栄
     「百日の説法屁一つ」
     「男にとって女は砥石」(苦労して磨かれる)
     「おれは木魚だな」(叩かれ役)               
     

     社会学者 宮台真治
     「日本は,引き受けて考える社会でなく,任せて文句を
     いう社会だ」  

     自分で選んでさんざん文句を言う社会。

     今年は「辰年から巳年へ・すべて竜頭蛇尾に終わらぬように」

 

 1                  運

 

       「運不天賦」といって運は天命であると言われるが,運は人がつ
      くるもの。
     「機は動より生ず」。機とは機運のことであり,運は限られたも
      のでなく,動くことによって新たに生じてくるものである。
 

        アルゼンチンでは,「運は女性のように口説きなさい」といよ

              うに,人が運を呼び込むものであり,人の努力の結果である。
      運とは動けば動くほど幸運を呼び出すものだ。

      「幸運は待ち構えているいるものにだけ訪れる」
        北岡伸一『独立自尊  福沢諭吉の挑戦』2002年
      

      さてまずは外に出て待ち構えるとするか。81才の誕生日も

               近い。(⒔・1・12)

 

 

1                       弘法筆を選ばず

 

      「弘法筆を選ばず」というが,実際は弘法大師はよく筆を選んで
       使い分けた。大師の残した一文のなかに「能書は好筆を用ふ」
        とあって,使う筆を細かく説いている。
      「筆を選ばず」は,神格化された人ならでの俗諺らしい。
                                            「天声人語」(⒔・1・11)

 

1                      横綱

 

          相撲の「横綱」とは,馬の手綱から来ており,これを注連縄の
    ように巻いたのでこれを横綱といった。
      昔は地位でなく特別な儀式などで締めて土俵入りをしたものを
      指した。1890年(明治23年)の夏場所から,「西ノ海」が初

            めて横綱として番付に載った。
 

1                    学校での暴力

 

        最近は学校でのしごきが問題になり,生徒の自殺まで出て
    いる。暴力をうけて人はのびるものだろうか。暴力の増幅
      がおこるだけだ。人を育てるには叱ることも必要だが,た

            だし,「三つ叱って五つ褒め,七つ教えて子は育つ」とい

            う。褒められると人は伸び,また運動機能も向上するとの

            こと。
          (⒔・1・⒔)

 

 

 1                             四面の敵

 

       中国は古代にあっては四方の東夷,南蛮,北狄(ほくてき),
     西戎(せいじゅう)の侵入に悩んで,万里の長城などを築いた。
     東夷とは東方のえびす(えびすとは外国人を侮った言葉であり),

             南蛮とはインドシナなどの南海の国々であり,北狄(ほくてき)

             とは北方の匈奴,さらに西戎(せいじゅう)とはチベットない

             しトルコ系を指したものとのこと。

   

         中国にとって,「東夷,南蛮は虎のごとく窺い,西戎,北狄は
     竜のごとく見る」と,四方みな敵と見なしていた。
     中国の現在の政策は,かっての守りから今や攻めの政策となっ

             ており,東夷,西戎などの四方の敵は日本やアメリカさらイン

             ド,東南アジアとなり,その対外政策は,攻撃は最大の防御と

             なって逆に進出を行っている。中国の政策は変わることなく続

             いている。
                        (⒔・1・20)

 

1                              箸物語

 

    箸を横向きに置くのは,箸を結界として神様とともに食事を
    いただくという「神人共食」の考えからだ。
      元は一本の竹を折り曲げたピンセット型だったと考えられ,
      漢字の箸が竹冠なのはその名残とのこと。その端と端でもの
    をはさむので「はし」の名がついたという説もある。
   

       一つの膳に一対の箸が添えられてから,箸を一膳,二膳と数

           えるようになった。
        (以上朝日新聞より 2013・1・19 Be) 

 

1              長生きの秘訣
 

     長生きしたいと思ったら,女房と口げんかをするといい。
     それによって脳は活性化するし,また血の巡りをよくする。
     ただし,脳溢血にならない程度に。

 

1                     脱亜論

 

    「脱亜論」などで福沢諭吉は,ヨーロッパ社会の発達に目
     を向けない古い体制のままのアジア諸国を批判し,アジ
    ア蔑視とうけとられた。
      しかしこれに対して宮地正人東大名誉教授は,「現代の
    視点から一方的に断罪するのは,後知恵の歴史解釈」と
    述べている。
      とかく歴史上の人物批判には,現代の視点からの解釈が
    多い。

 

1                        思いやり

 

         毎晩のように仕事と飲み会で遅い息子に,テーブルの上
     にメモ。
     「体大事に。親父お袋猫一同」
    

     「大雪や息子どっかで呑みおらん」
     「雪つもる子猫とともに寝る夜かな」

 

1                                散歩禅

 

    「散歩禅」。「座禅」だけでなく散歩もまた一つの禅。
     私は毎晩,一人静かに「酒禅」。

 

1                        よいとまけ

                                

      最近は見ることもなくなったが,戦前から戦後の一時期
    までよく見られた光景。頬かむりした小母さんたちが,
    声を合わせて,重い切り株でドシンドシンと土を固めて

          いた。家を建てるときの土台作り。
  

    木組みの天辺に滑車があり,その滑車にかけた太い綱を
    引いて思い切り株をまき上げドスンと落とす。男が綱を

          調節して打ち下ろす場所を変えていく。子供には見飽き

          ないものだったが,三輪明宏の「よいとまけの唄」を聞

          くとしんみりとしてしまう。

          もう見られない懐かしい風景だ。
        (⒔・1・28)

 

1                    「規制を守る」とは

 

   「規制は最低限守るべきものにすぎず,当事者はさらにそれ以上

          の安全を高める努力をしなければならない」
       田中俊一 原子力規制委員会委員長
    
         日本の事業者はフランスの原子力委員に「私たちは規制を守っ

         てきた」と伝えたので,フランスの委員はこの言葉にショック

         を受けたと。
      朝日「規制委員会のかじをとる」2013・1・11
           (あまりにも無反省な言葉に聞こえた?)

 

1            MayFair メイフエア
          ロンドンのハイドパーク一体の地名。
 

    ウエストミンスター公爵の所有地でロンドンの高級住宅地。
      その名の通り,むかしここで5月に市が開かれたことに由来し,

            かってはコックニー訛りが使われた下町だった。
      しかしコックニー訛りではマイフェアーと発音し,例のミュウ
    ージカル映画(May  Fair Lady)はコックニー訛りの少女が淑
      女となる物語だが,この地の訛りで「マイフエアーレデイ」と

            なった。

 

1              ちょっと雑学

  

   「気に入らぬ風もあろうが柳かな」 仙涯和尚?
     

         小春日和・・・・北欧では「老婦人の夏」
    

       「生涯の決断だってするトイレ」 
       

            結婚費用・・・全国平均  343.8万円
            

      ナマステ・・サンスクリット語で,会ったときや別れるときの
          挨拶。インド,ネパールで。
      ウラジオストック・・・「東方を支配せよ」の意とか?
                  中国語では「海涯?」・ナマコの入江。
    「Let it be」・・・・「あるがままに受け入れる」 
     ため口・・・・・・同等の口の利き方。
     横長の封筒では切手は右上。
   
    「永遠に沖のヨットのような人」
            朝日俳壇(川西市)上村敏夫
                              (羨ましい人だ)

 

      落暉(らっき)・・・沈む太陽の光。
     「君子の過ちは日月のごとし」・・少しも隠さない。
    福は内 鬼は湯の中 俺は外。
              
      Right to be let alone.・・ほっておいてくれという権利
           世の中うるさいのが多すぎる。市民のプライ
         バシーを犯すメデイアなど。

      衣食足りて礼節を忘れ・・昨今の日本。
      一心異体・・男女の仲。
      縁は異なもの味もなし。
     才色不揃い。
     迷ったらまず寝る。
          中国で日本製の空気洗浄機がよく売れているとの。
        「反日より命」
    人生は墓ない・・・墓などいらぬ。
          秘訣と秘結は異なる・・秘訣は奥の手であり,
               秘結は便秘のことである。 


 1                           辛抱

 

      「辛抱ってのはな,辛さを抱きしめるってことだからな」
       石倉三郎

    「家庭円満は女性次第」
       山崎家の家訓。山崎孟(94),百枝(87) 
         (朝日  ⒔・2・23)

 

1  「shot  gun  wedding」 
    できちゃった婚。女性の父親がガンで脅すことから。

 

1                 下町の銭湯

 

     東京の下町の銭湯で半世紀,お客の背中を流して来た人。
     「黙って苦労を語っているような背中ってあるんだ。
      ご苦労さんて声をかけたくなるよね」
                「天声人語」 2012・9・7

 

1        アメリカでの人種蔑視(だいぶ前の新聞記事)
 

    「10年前,記者がアメリカのホテルに泊まる時,ホテ
     ルの係が記者の名を別室で同僚に伝えている。
               MONKEYの M, APEのAと,そして笑い声。
   

         依然として(女性の地位の)「ガラスの天井」でなく
     「BAMBOOシーリング」(竹の天井)がある。
       ハリウッド映画ではアジア人男性と白人女性のキスシ

               ーンはない。
       今やアジア系は高学歴,高収入だが,それは真の姿で

              ないと,ニュウー・ヨーク大のアジア系米国人研究所

              ジョン・チェン教授」・・・・
     

      私もむかしいろんな國でいろいろな偏見にあったが,

              偏見はつきぬ泉のごとし,いずれ枯れるのを願いなが

              ら。

 

1                     最後の言葉

 

     「抱いて」とは母の最後の言葉なり 
              父を残して病室を出ず
        (大和郡山市)四方護 (朝日歌壇)

 

 

 

1              かってのフランスの女性の地位
  

       1800年,フランスの女性市民にズボンの着用を禁止する法律が

           できた。この禁止は女性の社会進出を阻むことが目的で,どう

           しても着用せざるをえないときは警察の許可が必要であった。

           この法律の目的は目的は,女性の社会的進出を阻むことであっ

           た。
     1892年,1909年の法律で,自転車や乗馬の場合のズボン着用

           が認められた。
     最近,女性権利相がその無効を確認している。いまや男女は共

           稼ぎで,結婚届のない同性が多く,女性の地位は向上しむしろ

           自由になっている。

 

1               子供の頃の風景 
 

    まだ戦前の子供の頃,釣りなどで田舎道を歩いているとよ
    く婆さんたちの立小便に出くわした。着物の裾をちょっと

            からげ,道ばたで立ち話をしながら,実に自然で風景に溶

            け込んでいた。今では見られぬ懐かしい風景である。
      フランスの女性以上に,まさに男女同権,日本の方がはる

            かに進んでいたのだ。
       「春風や婆のいばりの野に散りぬ」

 

1             援助に対する「受援力」
 

    外からの援助をきちんと受け止めてそれを力に変える
    能力。援助力と受援力が相まって援助の効果が発揮さ
      れる。

 

1         イタリアの大作家。イタロ・カルヴィ

 

    「まだ読んでいない基本的な本の数は,つねに読んだ本の

               数をはるかに超えている」
      「古典を壮年,または老年になってから初めて読むのは比

               類のない楽しみ」
                       朝日社説2012・11・1
   

      「古典の日」,「なぜ古典を読むのか」

     古典の日の日付は,紫式部が源氏物語に日記でふれた最古

             の日(1008年11月1日)にちなむ。
     源氏物語千年紀を祝った京都の文化人らが法の制定を求め

             てできた日。 同上

 

1              マンションでの神棚
 

    マンションで神棚を置くとき,上の階があるときは,神棚
     の上の天井に紙を貼り,紙には「雲」あるいは「天」また
     は「空」と書く。
     神棚を奉っていけないところは,ドアの上,トイレの裏,
     仏壇の向かいである。

 

1              神社での参拝の仕方
 

     ①鳥居で一礼
     ②参道は端を歩く, 中央は神様が歩くところ
     ③手水は左手から
     ④二礼二拍手一礼
     ⑤お賽銭は気分次第
     ⑥願い事には名前と住所を言う
      郵便番号はいらない・神様は手紙を書かないから。

 

1              仏像

 

      手に水かきがある・人を沢山救うため
    螺髪(らはつ・らほつ)頭部の螺状の髪
        九六六ケあり右巻き・知恵がつまってる
      白豪(?)眉間の黒子ようなもの
       長い毛が丸まっている。人を救うときに伸ばす
    手が長い・遠くの人を救う

 

1                  「因果一如の門をひらけ」 
  

     結果はすでに原因と一緒に生まれているということ。
     行為と結果が同じということだが,白隠禅師のことばで、
    いろいろな解釈がなされている。過去と未来にとらわれ
    ず,今のその瞬間を大事にするということ。
      因果という原因と結果の法則 で良いことをすれば良い
    報いがあり,悪いことをすれば悪い結果がある。
      善因善果,悪因悪果ということ。
     
        「前後裁断」糸がもつれた所は切りとってつなげ。
         (2013・2・12)  
                      人生は墓ない・・・墓などいらぬ

 

1                      楽しい地獄

 

        天国だけが楽しいものではない。「明るい地獄」,「楽し
    い地獄」があるらしい。人は安心して成仏すべし。

                      「あいつから地獄は楽しと引っ越し状」

 

 

1                    冷や飯

 

        「先達が教えるとおり,冷飯をおいしく食べて次に備える
     のもいい」天声人語 (⒔・2・16)     

     人事の季節「冷飯もおいしく食べる心意気」
       

1            結婚式のライスシャワー

 

      結婚の誓いをして教会から出てくる新郎新婦に,参加者が
    米を投げかけるが,それは「子孫繁栄」を願ってというこ

            とらしい。ではなぜパン食の欧米でしかもほとんど米を野

            菜感覚でしか食べない欧米でも米なのか?
     

            この風習は古くからイタリアで行われた風習らしいが,米
      は一粒から800~1000粒の籾ができるので多産の象徴とさ

            れているためらしい。
      また,米を投げるのは花嫁,花婿にとりつく悪い霊にそれ
    をなだめるために食物を与えるためともいわれる。

      聖書に「一粒の麦もし地に落ちて死なずば,ただ一つにて

            あらん。死なば多くの実を結ぶべし」(ヨハネ伝)とある
    が,麦もまた豊穣の象徴である。

  

      しかし,一粒の籾からどれだけの「生産倍率」があるかと 
     いうと,一説によると,ヨーロッパでは麦は,10世紀で

             3倍,16・17世紀で4~5倍,16~17世紀で6~7倍,
     現在でもヨーロッパで15~16倍,アメリカで20~25倍,
     それに対して日本の米は50倍となっている。

     米は生産性が高く,そのためヨーロッパでは人口増加に
     伴って広大な農地が必要とされたが,アジアでは農地の
     人口扶養力が高かった。
      
     現在,農地の人口扶養力は,1アールあたりのカロリー
     供給力は,日本で約10万カロリー,アメリかで2万8千
     カロリー,オーストラリアで1万1千カロリーである。
     従って,日本の農地1ヘクタールは10人近くを養え,ア
    メリかは0.9人,オーストラリアは0.1人にすぎない。

     米は地球の面積の四分の一しかないアジア地域が,世
     界人口の6割を養うことができる貴重な穀物である。
     しかしこの米の「生産倍率」が高いことは,人口増加を
     をもたらし,農家あたりの経営規模が小さく,容易に貧
       困化をもたらす原因でもある。

  

       日本の一農家あたりの農地面積は,国際標準の10ヘクタ

             ールよりはるかに小さい。従って農地の集約化が必要と

             叫ばれるが,農家の労働力の減少,人口減,米離れなど

             の問題があるが,これほど生産性が高く,おいしい穀物

             は他にない。米を大いに食べて大切にすべきだ。
    
     
 1     「人生70台こそ黄金時代,まとめの時代」
       根路銘 国昭(沖縄・生物資源研究所)
         6ch 2013・2・17  

  

       もう八十歳を超えたが,まだまだ黄金時代と思って
      生きている。

 

1            庭の梅咲き香る
  

       探梅・・さきがけの一輪,二輪をまだ風も冷たい
         野山に求める。冬の季語。
     観梅・・立春を過ぎて咲きほころぶ梅の色香を楽
         しむ。 

  

             「紅梅にほしておく也洗い猫」 一茶
      春の泥にまみれた猫を洗って,まさか木に干し
      たわけではないだろうが?
          伝本によると,
      「紅梅や縁にほしたる洗い猫」ともなっている。
         いずれにしても水嫌いの猫には迷惑な話だが,
       時にはさっぱり洗ってやりたいと思うときもある。
        (2013・2・19)

      
 1       「昼からはちと影もあり雲の峰」 
   

        この十七文字の中に七種の小さい生き物。
     蛭,蚊,蜂,蜥蜴,蟻,蜘蛛,蚤。
       (天声人語 ⒔・2・23)

 

1   「人生で泣く時間と笑う時間は同じくらいだよ」
 

 

1                        酒場

 

      「風俗や水商売って男の人がいろんなものを捨てにくるところ。
     がんばってる人ほど来る場所だわ。ただね会社や家庭で態度
     にだしちゃだめよ。何事もなかったようにお帰りなさい」
                 スナックママ 真由美  

                                       (朝日⒔・2・23)

 

1               川村元気『世界から猫が消えたら』より
         

      「道を知っていることと,実際に歩くことは違う」
      「人生は近くで見ると悲劇だけれど,遠くから見ると喜劇だ」
      「死と同じ避けられないものがある。それは生きることだ」
     

 

1                      難しい言葉

 

         鏘    きゅうそう・・玉や金属がすれあって鳴る美しい音。
          詩や歌の美しい旋律の形容。極上の音楽。
     開る  はだかる・・手足などを広げて立つ。立ちはだかる。
                 物事が大事(おおごと)になる。  
     ?然  ようぜん・・嘆いてぼんやりする。
                 憂愁の色を深くたたえた(美人)。

                                (?はパソコンで゙来ない言葉)

 


 1                      一粒の麦

 

      「一粒の麦もし地に落ちて死なずば,ただ一つにてあらん。
     死なば多くの実を結ぶべし」 ヨハネ伝十二章二十四節

  

       しかし麦の収穫倍率は中世ではきわめて低かった。16ー7
      世紀でも6~7倍で,現在でもヨーロッパで15~16倍,

              アメリカで20~25倍である。
     これに対して米の収穫倍率は高く日本では50倍である。

             ヨーロッパは増加する人口農地の拡大が必要であったが,

             アジアの農地は人口扶養力が高い。
     日本の農地1アールのカロリー供給力・・約10万カロリー
     アメリカ・・・・・・・・2万8千カロリー
     オーストラリア・・・1万1千カロリー(日本の約10分の1)
   

        従って
    日本の農地は1ヘクタールあたり10人近く養えるが,アメリ
    カは09人,オーストラリア0.1人となる。

      地球の面積の四分の一しかないアジアは,世界人口の6割以
        上の人を養うことができる。アジアの農地の人口扶養力の高

            さが人口の増加をもたらし,その結果,アジアの農民の経営

            規模が小さい理由となっている。

   

        そのヨーロッパの結婚式では花嫁花婿にライスシャワーをあ
    びせるが,これは「子孫繁栄」を願ってとのこと。この風習

            はイタリアが起源らしい。やはり米の収穫倍率が高いから子

            孫繁栄のために米をまくとも,悪い霊に食物を与えてなだめ

            るためとも。
           (2013・2・27)

 

1                   日本語は難しい

 

      「春なれや生(き)そばをばナマそばというアナウンサー」
    
      慌てて辞書をひもといた。やはりキソバだ。 
        
     またあるアナウンサーは波頭をハガシラといっていたが, 
     これはハトウかナミガシラではないかな?

 

1                     時間

 

         「時間は過去から未来へと流れるのではなく,未来から現在
      へと流れてくるといった人がいた」   
         川村元気『世界から猫が消えたら』
      
       50才までは現在は未来に流れるが,50才を過ぎると未来が
     迎にくる。

 

1                        食と飲

 

         食に欠かせないと書いて「飲」となる。
       酒は食事に欠かせないもの,中枢神経を刺激し人を癒し
     てくれる。酒中食在。

 

1    しょうがない・・・といいながら人は少しずつ前に進んでる,
              これもひとつの断捨離。


1                「強風が太くする幹もある」
             いじめに逆境にもめげず人は生きる。

 

1        コメデアン 小松政夫
  

       「旅は道づれ,世はお酒」
     「酒は身を助ける」
     「酒からでたマコト」
     「16才から結構飲んで,たぶん人生の半分は二日酔い」
       朝日 2013・3・9 Be

                  

1                  先住人への手紙

 

       前に住んでいた人へきた手紙を勝手に捨てると,
     「宣有離脱物横領罪」となる。
  

1                      君は歳月

 

   「愛という言葉ではなく恋という言葉でもなく 君は歳月」
            (豊橋市) 中村悦子
            (朝日歌壇 2013・3・11)
     老夫婦にとってはほっとする言葉。今更愛してるなんて
     いえるかね。

  

     「麗らかや的を外して生きる術」
         (那須烏山市)水野信一  (同上)
        的を外して生きるも楽し。  

          『かんしゃくの「く」の字捨つれば暖かし』
          (伊丹市) 保理江順子 (同上)
       感謝,感謝の日のうらら。

 

1              剣とは
  

     「剣は一人の敵,学ぶに足らず」 史記
       一人を敵を倒すのでなく兵法を学べと。
     「剣を売り牛を買わしむ」
       武事より農事をと。
     「剣を落として舟を刻む」
       舟に乗っていて剣を落とし,その場所を舟に刻んで
       岸に着いてから印の場所を探すこと。
       時勢の移り変わりを知らず旧習に固執すること。
   

     ただし「けんもほろろ」は剣とは関係なく,
     人の頼みごとをまったく取りあわないこと。
     雉の鳴き声のけんけんもほろろも無愛想に聞こえること
     から。
        (2013・3・14)
     
       

 1              フランスの柔道

 

       日本では柔道は苦行だが,フランスでは「人生に喜びを
    感ずるために柔道をやっている」
      フランスの銀メダリストの女性

 

 

1                  政治家の三バン

 

    「政治家はジバン(地盤ー後援会),カンバン(看板ー知名度),
     カバン(鞄ー資金)のほかにヒョウバン(評判)も必要」
         NTTグループ会社の担当者
             評判とは最も直截な人の噂?

 

1              わかりやすい相対性原理
 

      美人といるときは一時間が一分に思え,嫌な奴といる時は
    一分が一時間に思える時間の原理である。


 1                    時

 

         時はまさに「柳暗花明」を迎える。
     これは春の美しさを讃える色合いで,柳は繁って暗く,花は
     咲き誇って明るいことで,春の野の美しい風景。
     転じて花柳街,色町,色里。

 

1         春となる

                      川崎展宏の俳句
  

      仏生会鎌倉の空人歩く
    鳥の影つぎつぎ花野の水を過ぎ
    赤い根のところ南無妙菠薐草
      (2013・3・18)

 

1                      忸怩

 

         テレビで某国の総理大臣が言ってた気になる言葉。
     日本の独立式典を行う話の中で,「沖縄の人も忸怩たる

             思いでしょう」と言ってたが,どうも文脈から考えてお

             かしい言葉だ。

          「忸怩たる」とは,恥じ入るということで,沖縄の人が恥

             じ入りことなどはないのだが?

 

1                  鳶職人のズボン

 

       膝から下がふくらんでいるがその効用。
    「一つは重心が下にあることで安定感が増す,二つ目は
     柱やパイプを持って足下が見えない時,広がった裾が
     猫のひげのような役割をして,異物を察知してくれる」
      「寅壱」社長 村上団治郎 

                     朝日 2013・3・19

 

1                     不祥事の責任

 

        不祥事や事業に失敗した会社の社長が,他の重役が責任を

            とってやめても,会社再建のために努力すると居残ってい

            るが,変な話だ。
        今までできなかったのに,これから再建するというのは,
      これまでサボっていたことになるのじゃないかな?

 

1         アルトウール・トスカニーニ
    「伝統は明日つくられる」
     そうして自分自らが伝統をつくっていった。
      

 1   「良い戦争と悪い平和は,あったためしがない」 
        B・フランクリン
        (2013・3・21)

     
 1   春浅き麒麟の空の飛行機雲       三好達治
     山寺の扉(と)に雲あそぶ彼岸かな   飯田蛇笏
     うぐいすや障子にうつる水の紋(あや) 永井荷風


   

 

 

     

                       一寸いい話    28

   
  

 

    

 1   菜の花や筑波にかかる雲もなし    佐藤紅緑 
     山寺の戸に雲あそぶ彼岸かな     飯田蛇笏
  

       海苔あぶる手もとも袖も美しき    滝井孝作
     大寺を包みてわめく木の芽かな    高浜虚子

 

1       「老いの一徳」
 

    「物事を遠目に見られるようになった」。山藤章二

   

1         南伸坊の美術批評
  

      ヘタウマ・・ピカソが元祖
      ウマウマ・・ヘルメール
    ウマヘタ・・凡庸なウマイ絵
                  (週朝 2013・3・22)

 

1        男の三原色・青 茶 グレー
    色は二色に抑え,アタの色をアクセントとする。

 

1                        回文

         「くさのはななずなよなずなはなのさく」
        野出園蜩

 

1             ポケットチーフ

 

    ①四角にたたんで「TVホールド」 
      ②中央をつまんで丸め,ふんわりとさせて差し込む
       「パット」
      ③逆に角を花びらのように見せる「クシュット」。
       夏は麻,ネクタイよりも服に合わせる。

 

1              科学の進歩
     地震研究が進んだ結果,予知ができなくなった。

 

1               男波・女波
  

       高低のある波のうち,高い方が男波または片男波。
     この男波が一つ打つ前の低い二つ打つ波が女波。

 

1    サッカー場の芝生は107㎜から15㎜。それより4㎜
     長いとボールの転がる距離は2m短くなる。

 

1     柿落とし(こけらおとし)
  

       工事の最後に屋根などの木屑を払い落としたことから,
     
     新築劇場の初興行のこと。
     こけらはは屋根にふく薄いこけら板の略とも。
     

     果物の柿は旁(つくり)の縦棒が一本だが,柿(こけら)
     は旁の縦棒が一本ではなく,亠(なべぶた)に巾(はば)
     と書く。
     
           

                     操作ミスによりこれ以下の文章が消える。

                     残念だが,ようやく以上の文章をを復活し

                     た。

                                      2017年12月19日